要点はココ! プチ活字中毒者の乱読日記

図書館の本を読み尽くしているプチ活字中毒者です。読むジャンルは偏ってますが、読書する時間のない人に、本の要点を紹介します。

「まずは、かかりつけ医に行ってください。」ということでしょうか。

 女子大

 

病院で治療を受けたり薬をもらったりしたとき、医療機関や薬局に支払われる診療報酬の改定内容が決まりました。

 

4月から目指す医療提供体制は、

  • 身近な開業医で受診
  • 病院は高度な医療を中心に担う
  • 自宅や施設でも診療を受けられる体制を整える

ということを目指した改正内容となっています。

 

具体的には

①かかりつけ医の普及に重点を置き、初診料に上乗せ
②複数の診療所が連携し、24時間対応する体制を整えた場合の報酬を手厚くする。
生活習慣病の患者を継続的に診ている診療所などを、かかりつけ医として報酬を手厚くする。
特別養護老人ホーム(特養)で外部の医師が看取った場合、高い報酬が得られるようにする。
タブレット端末などを用いた「遠隔診療」報酬の明確化
⑥紹介状なしで受診すると追加負担をとられる病院を増やす。

という内容となっています。


「いきなり大病院に行くのではなく、まずは、町の開業医に」

ということですね。

 

 

 


診療報酬改定に係る主な新聞各紙(毎日新聞除く)の社説の要点を紹介しますと


1 朝日新聞 「診療報酬改定 効率的な医療めざして」(2018年2月13日)
  • 「入院から在宅へ」の前提は在宅診療の充実だ。だが、24時間対応の訪問診療を担う診療所はそう増えていない。
  • 今回、地域の複数の診療所が連携して体制を作れば報酬を手厚くすることにした。効果を注視したい。
  • 医療機関の役割分担では、紹介状なしで受診すると追加負担をとられる病院を増やす一方、生活習慣病の患者を継続的に診ている診療所などを「かかりつけ医」として報酬を厚くする。
  • しかしながら、今のかかりつけ医は患者にとって、どんな役割を担うのか、どこに行けばいるのか、基本的なことがさっぱり分からないのが実情だ。
  • 日頃から患者の相談に乗り、幅広い病気を的確に診断できる。そんな頼れる地域の医師を増やし、患者にわかりやすく周知する一層の工夫が急務だ。

2 読売新聞 「診療報酬改定 在宅支える体制作りを急げ」(2018年2月12日)
  • 団塊の世代が全て75歳以上になる2025年に向けて、効率的で質の高い医療提供体制への転換を着実に進めたい。
  • 高齢社会の医療ニーズに合わせ、病院中心から在宅重視への流れを加速させることが主眼だ。
  • 都道府県では、25年を見据えた地域医療構想を具体化するため、医療機関などとの調整が本格化する。今回改定の理念を実現できるかどうか、都道府県の力量も問われる。
3 日経新聞 「効率化への踏み込み足りぬ診療報酬政策」(2018年2月9日)
  • 今回の改定は、75歳以上の後期高齢者の急増に備える工夫がみられるが、効率化への踏み込みは甘さが残る。
  • 責任の一端は、18年度予算で医療界の人件費などに回す診療報酬本体を増額する安倍晋三政権にある。
  • 初期診療の充実には、「かかりつけ医」を増やすだけでは不十分
  • さまざまな病気の治療をひと通りこなす家庭医の養成を急ぎ、診療報酬で評価することを求めたい。
  • また医師の都市偏在、終末期医療の方向性など解決を急ぐべき難題は多い。

 


4 産経新聞 「診療報酬改定 医師不足と偏在に答えを」(2018年2月9日)
  • 団塊世代がすべて75歳以上となる「2025年問題」に対応するには、医療費抑制を図っていかざるを得ない。
  • 詳細が固まった今回の改定の最大の特徴は、高コストとなる入院から在宅医療に移行させようとさらに踏み込んだことにある。
  • 具体的には、かかりつけ医の初診に加算する仕組みを新設した。また、複数の診療所が連携し、24時間対応する体制を整えた場合の報酬を手厚くした。
  • かかりつけ医の整備が遅れている。改定を体制づくりを推し進める契機としてもらいたい。
  • 今回、医師とケアマネジャーの連携強化を促した。特別養護老人ホーム(特養)で外部の医師が看取った場合、高い報酬を得られるようにしたのも前進だ。
  • 医師の不足や偏在は深刻化している。診療所が1カ所しかない地域では、24時間体制の実現は難しい。医療提供体制の立て直しを同時に進めなければならない。
  • 医師の過労も問題化している。限られた時間で医師が効率的に診療するには、看護師や介護職員、事務スタッフが行える仕事を移していくべきだろう。

 

 

読売新聞はあまり自社の意見は述べられていませんが、他の新聞社は


朝日新聞

かかりつけ医がさっぱりわからない。


日経新聞

かかりつけ医を増やすだけでは不十分。家庭医の養成を急ぐ必要がある。


産経新聞

かかりつけ医の整備が遅れている。

 

と、かかりつけ医についての意見が目立ちました。

 

「入院から在宅へ」という流れは、どの新聞社も妥当という意見です。

ただ、今後、24時間体制が出来るぐらいかかりつけ医が十分に増えていくのでしょうか?


難題ですが、越えていかなければ医療体制はもたないということでしょう。