衛生管理者資格試験を受けます。(その2)
では、労働生理の過去問を解いていきます。
★自律神経系は、内臓、血管などの不随意筋に分布している。
答え(〇)「自律神経系」は「内臓、血管、腺などの不随筋にひろく分布している」ため、正しいです。
★自律神経である交感神経と副交感神経は、同一器官に分布していても、その作用はほぼ正反対である。
答え(〇)交感神経は「身体の機能をより活動的に調節」し、副交感神経は「身体の機能を回復に向けて働く」もので正反対なので、正しいです。
★自律神経系の中枢は、脳幹及び脊髄にある。
答え(〇)自律神経系は「脳幹および脊髄」にあるので、正しいです。
★心臓に対しては、交感神経は心拍数を増加させるように作用し、副交感神経は心拍数を減少させるように作用する。
答え(〇)
★消化管に対しては、交感神経は運動を促進させるように作用し、副交感神経は運動を抑制させるように作用する。
答え(×)消化管は休息や睡眠状態で活発になるため、副交感神経が運動を促進させ、交感神経が運動を抑制する
自律神経の働きをイメージする場合は、交感神経活動に関しては「興奮した状態」をイメージし、副交感神経活動に関しては「寝ている状態」をイメージするとわかりやすいです。
(交感神経が活動すると)
瞳孔 → 大きくなる
心拍数 → 増える
汗 → 増える
尿意 → 減る
消化管 →運動が抑えられる
精神状態 → 興奮
(副交感神経が活動すると)
瞳孔 → 小さくなる
心拍数 → 減る
汗 → 減る
尿意 → 増える
消化管 →運動が活発になる
精神状態 → リラックス
★成人のヒトの肝臓の機能として、誤っているものは次のうちどれか。
脂肪酸の分解及びコレステロールの合成
(正しい)
アルブミンなどの血漿蛋白の合成
(正しい)
赤血球の産生及び分解
(誤り)
アミノ酸からのブドウ糖の合成
(正しい)
グリコーゲンの合成及び分解
(正しい)
肝臓の3大機能は、①代謝②解毒③胆汁の生成分泌です。
(代謝)
人間は食べ物から得た栄養素をそのまま利用することは難しく、人間が利用できる栄養素に分解合成します。これを代謝といいます。
(肝臓の代謝)
肝臓の代謝には①糖代謝②たんぱく質代謝③脂質代謝の3つがあります。
①糖代謝
肝臓はブドウ糖からグリコーゲンを生成し、貯蔵することができます。血液中の糖が足らなくなると、グリコーゲンを分解してブドウ糖を生成し血液中に放出します。
②たんぱく質代謝
肝臓は、アミノ酸から血漿たんぱく質を合成して血液中に放出しています。
血漿たんぱく質にはアルブミン、グロブリン、リポたんぱく、フィブリノーゲン、プロトロンビンなどがあります。
③脂質代謝
肝臓は、脂肪酸の合成、分解のほか、コレステロールやリン脂質の合成が行なわれています。
★腎臓での尿の生成に関する次の文中の [ ] 内に入れるAからDの語句の組合せとして、正しいものは1~5のうちどれか。
腎臓は濾過装置とよばれるように血液中の老廃物を濾過します。濾過した老廃物は尿として排出されます。
血液を濾過する本体です。腎臓1個につき100万個の腎小体があります。
毛細血管(糸球体)からボウマン嚢へ放出された老廃物は、「原尿」とよばれ、尿細管を通って膀胱へ送られるのですが、この尿細管を通っている間にブドウ糖やアミノ酸、水、Naイオンなどが再吸収されます。そうして残ったものが尿として体外に排出されます。