年5日の有給休暇を取得しなければいけなくなりました。
働き方改革の一つとして、今年4月から年5日の有給休暇を取得しなければいけなくなったということは、ご承知の方も多いと思います。
有給休暇の取得は、これまで働く方の意志だけで取得できましたが、取得率が低いため、使用者に対して年休の取得についての義務が課せられました。
具体的には、
年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含みます)に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが義務づけられました。
つまり、年5日は絶対に年休を取得しないといけなくなったわけです。
今まで、周囲の人に遠慮して年休が取得できなくなった人には、うれしい制度かもしれませね。
ところで、制度の運用にあたっては、いくつか気を付けることがあります。
まず、対象者は「年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者」ということです。
ほとんどの方は年休が10日以上あると思います。
6か月継続勤務し、8割以上出席した場合は10日の有給休暇が付与されることになってますからね。
ただし、1週間あたりの勤務日数が少ない方は、勤務年数によっては10日ない場合がありますのでご注意を。
次に、使用者の義務として、労働者ごとに、年次有給休暇を付与した日から1年以内に5日、取得時季を指定して年次有給休暇を取得させなければいけなくなりました。
例えば、
4月1日入社の場合
・半年後の10月1日に年休10日付与
・翌年の9月30日までの1年間の間に5日の年休を取得させなければいけない。
となります。
既に5日以上年休を取得している人にも、5日の年休を取得させないといけないのでしょうか。
その必要はありません。
また、例えば、既に年休を3日取得している人には、2日取得させればいいということです。
守らなかったらどうなるのでしょうか。
罰則が科せられることがあります。
具体的には「30万円以下の罰金」となっています。
しかも1人につき1罪となっています。
ただし、最初のうちは労働基準監督署の指導で許してもらえるかもしれませんが。
会社によっては、年休の付与の時期がいろいろだと思います。
厚生労働省が「解説集」を作成していますので、ケース別の紹介します。
ケース1:法定の基準日(雇入れの日から6か月後)により前に10日以上の年次有給休暇を付与する場合
⇒付与したその日から1年以内に5日の年次有給休暇を取得させる必要があります。
ケース2:入社から半年後に10日以上の年次有給休暇を付与し、翌年度以降は全社的に基準日を統一するため、4月1日に年次有給休暇を付与する場合
⇒入社半年後、例えば2019年10月1日(1年目の基準日)から、2021年3月31日(2年目の基準日から1年後)までの期間(18か月)、7.5日(18か月/12か月×5日)以上の年次有給休暇を付与することも可能です。
ケース3:10日のうち一部を前倒しで付与した場合
⇒付与した年次有給休暇が合計で10日に達した日を基準日として、その日から1年以内に年次有給休暇を5日取得させる必要があります。前倒しで付与した年休のうち、既に取得した日があれば、その日数を5日から控除します。
5日は取得しないといけなくなりましたので、有意義に過ごしたいですね。