「誰の味方でもありません」を読みました。
「誰の味方でもありません」(古市憲寿 著)を読みました。
題名の意図は、
- 「正論」を疑ってみること。
- いくら正論といえども、時代や環境が変われば「正しさ」は変わってしまう。
- 絶対的な「正しさ」を追求するのではなく、一歩引いて社会を見るくらいが丁度いい。
- そんなスタンスで書いてきた文章をまとめた本
ということで、誰かの意見や主張をそのまま支持するのではなく、「一歩引いて」書かれた本ということです。
いろんな項目について、古市氏の「一歩引いた」考えが載せてあります。
その中で、いくつか紹介します。
1 みんな乙武さんがうらやましかったのか。
少し前ですが、乙武洋匡さんが不倫でパッシングされたことについて、古市氏は、炎上する人としない人との基準は、
「うらやましいと思わるかどうか。」
と述べられています。
炎上しない人として、マツコ・デラックスと有吉弘行さんをあげています。
つまり、この2人は、「うらやましくない」と思われているからだと。
でも、2人が乙武さんと同じように不倫したら炎上しないのでしょうか?
(マツコ・デラックスさんは炎上しないかもしれませんが・・・)
「うらやましくない」と思っていた人が、ちょっと「うらやましい」と思えることをした時は、余計に炎上するかもしれません。
2 失敗のない人生は結構危ない。
東大生が「東大生というのは、間違えてこなかった人。人生に間違いが少なかったから東大に入れた。」というは発言に対して、
「この時代に東大に入ることが本当に「間違いじゃない」と、胸を張って言えるのか。」と突っ込みたかった。と述べられています。
どちらが正しいかはともかくとして、古市氏の言いたいことは
- 失敗のない人生。一見すると非常にすばらしい。
- だけど、ちょっと考えると、それが非常に危うい思考法だということがわかる。
- 生きるために必要なルールというのは、時間が経てば変わってしまうから。
- 「大企業の正社員になれば安心」というのは昭和型の発想。東京電力、東芝、シャープもあんなことになってしまった。
ということです。
「トライ&エラー」を繰り返すことの重要性は納得できます。
問題は「エラー」をどこまで受け入れられるかだと思います。
3 離婚率の上昇はよくないことか。
「よくないことか。」と述べているとおり、古市氏は「結婚や離婚の自由度があがった現代社会は、まんざら悪いものではない。」と、離婚に肯定的な意見のようです。
当然ですけど、子どもがいる場合は、子どものことを第一に考えて離婚するかどうかを考えてほしいです。
4 防衛省に北朝鮮と対峙する資質はあるのだろうか。
- 防衛大臣に稲田朋美議員が就任していた時の話
- 「防衛大臣の批判材料をリークし続けた防衛省に、有事に対応できる「資質」があるのだろうか。」と思った。
- ある政治家は、「有事の際は財務省に任せたい」と冗談で言っている。
(本書より)
省を守るためなら、なんでもありの財務省にまかせるのもどうかと思いますが。
5 老人革命に期待したい。
- 橋田寿賀子さん著の「安楽死で死なせて下さい」が抜群に面白かった。
- 橋田さんの問題提起に多くの応援の声が集まった。
- 老人の叛乱を期待
- 今の老人はかつての若者に似ている。
- 近い将来、老人革命が起きてもおかしくない。
(本書より)
老人が、自分たち世代のためでなく、子どもや若者のために革命を起こしたらおもしろいですね。
まずは、5つの項目について紹介しました。
引き続き、おもしろかった項目について紹介します。