AIと日本企業 日本人はロボットに勝てるか。
「AIと日本企業 -日本人はロボットに勝てるか」(中公新書ラクレ)を読みました。
AIと日本企業 - 日本人はロボットに勝てるか (中公新書ラクレ)
- 作者: 榊原英資,竹中平蔵,田原総一朗
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2018/06/07
- メディア: 新書
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田原総一郎氏、竹中平蔵氏、榊原英資氏の3人の対談となっていますが、読みやすい本でした。
おもしろかった意見を紹介します。
1 AI時代に雇用を生み出す三つのポイント
田原氏
「人口知能によっていまある仕事は減っても、新しい仕事ができると言われている。そのためには何が必要だろう。」
竹中氏
「ポイントが三つあって一つは規制を緩和すること。いろいろな仕事ができるようにしないといけません。」
「二つ目は、人口が減少して困ると言っているのだから、相対的に見て失業問題を一番心配しなくていいということ。」
「三つ目は、新しい仕事がなかなか出現しない場合は、国民の労働時間を減らせばいい。」
田原氏
「労働時間も減らせば、給料も減るのでは?」
榊原氏
「給料は減らさなくていいのです。会社は生産性をあげて、儲かっているのだから。」
竹中氏
「そうそう」
(以上、本書より)
榊原氏の言われるとおり、労働時間が減っても生産性が同じだから給料も減らないということになればいいのですが。
給料が労働時間によって決まるという考えが変わらないと減りそうですが。
2 100倍、200倍の所得格差で負けた人はどうなるのか
田原氏
「森永卓郎は、ITの世界は、できる人間とできない人間の差が100倍、200倍になると」
榊原氏
「緩和された中で能力のある人はいろんなことに挑戦していく。そうでない人は何もできない。そうすると、どうしても格差は拡大していく。そうなってくると、それを解消するためには国家が介入するしかない。国が介入して所得の再分配をせざるを得ない。」
竹中氏
「所得再分配をもうちょっとちゃんとやらないといけない。そのためのベーシックインカムをやったらいいと思います。」
田原氏
「財源は大丈夫だろうか?」
竹中氏
「細かい計算はまだやっていませんけれども、少なくとも、ベーシックインカムが導入されると、生活保護がいらなくなりますね。それと、社会保障(年金)と税の一体改革が必要」
(以上、本書より)
竹中氏がベーシックインカム導入の考えをお持ちだとは知りませんでした。
ベーシックインカム導入の最大の問題は、どれくらい財源がかかり、それをどう確保するかだと思います。
その点については、「まだやっていない」ということで本書では示されませんでしたが、竹中氏の考えを是非お伺いしたいですね。