誤解だらけの人工知能を読みました。
誤解だらけの人工知能-ディープラーニングの限界と可能性-を読みました。
誤解だらけの人工知能?ディープラーニングの限界と可能性? (光文社新書)
- 作者: 田中潤,松本健太郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2018/02/23
- メディア: Kindle版
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データーサイエンティストの松本健太郎氏が、人工知能の専門家である田中潤氏インタビューした内容を体系立ててまとめた書籍です。
本書の構成は
第1章 みんな人工知能を勘違いしている。
第2章 人工知能はこの先の社会をどう変えていくか?
第1節 2018年
第2節 2020年代
第3節 2030年代
第4節 2045年以降
第3章 社会に浸透する人工知能に私たちはどのように対応するべきか?
となっています。
その中で、関心を持った内容を紹介します。
組織の時代から個人の時代へ
人工知能が浸透すると、個人事業主が増えるような世の中になると考える。
したがって、これからは個人で生きる能力が必要
21世紀の仕事を大分類すると、人工知能を作る仕事と、自分自身を売り込む仕事。この2つに収斂されるのではないか。
このほかの仕事については、人工知能に全部やってもらったらいい。
(本書より)
「人工知能を作る仕事」「自分自身を売り込む仕事」。どちらも高い能力や才能がないと出来ないと思います。
では、出来ない人はどうするのか。
筆者は、ベーシックインカムを提唱されています。
ベーシックインカムの必要性については、井上智洋氏も著者で述べられています。
ただ、ベーシックインカムについては必要な財源をどのように確保するかという大きな課題があります。
財源の確保について、本書では具体的な言及はないのですが、「ベーシックインカムで支給されたお金は貯めずに全て使い切る。使い切ることで経済を回す」と述べています。
これでうまくいくのか?と思いますが、ベーシックインカムについて、具体的に議論を始めることが必要だということは理解できました。
フィンランドやアメリカのカリフォルニア州でベーシックインカムの実験をしており、その結果が、今年から来年に出てくるとのこと。
この結果をきっかけに、日本でも議論が進むことを期待します。
人工知能の時代を迎えると、一人ひとりの人間が注目を集めるようになる。
個人を表現する場所が、どんどん広がっていくはず。あなた自身が何者であるかがより重要になり、あなたのデータが、今よりももっと直接的な価値を生み出す時代になる。
そうなると、「信用」こそが、21世紀の人工知能の時代を生き抜く上で重要。
問題なのは、人工知能時代の「信用」を作るのが得意な人と不得意な人に分かれて、信用格差が生まれてしまう点。
特に信用格差が生まれる基盤がリアルからインターネット上に移行するので、「よく分からないからFacebookとかTwitterは使っていない」と言っている人たちが、いつの間にか社会から「信用できない」というレッテルを貼られてしまう可能性がある。
(本書より)
信用できる人かどうかについて、FacebookとかTwitterなどのSNSで判断される社会になるのでしょうか?
実際に、SNSで採用の可否を決めている企業もあるとのこと。
人工知能の進化により社会がどのように変化するかについては、これからもいろいろ書籍が出されると思います。
お薦め本を紹介していきます。