子育てしやすいまちを紹介します。(その1)
年々、出生数は減少し少子化はますます進んでいますが、全国の自治体のなかには、出生率が比較的高い市町村や、出生数や出生率の向上を実現している市町村もあります。
内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が、3月に「出生数や出生率の向上に関する事例集」をまとめました。
そこで、紹介されている出生数等の向上を実現している市町村についてまとめました。
1 北海道ニセコ町
- 保育所、幼稚園、子育て支援センターを一体化した幼児センターを整備
- 子どもも参加できるイベントが多く実施され、転入したばかりの親子が、地域とつながりを持つきっかけとなる場が多く用意されている。
- 観光関連の雇用が多く、仕事を得やすい環境
(以上、事例集より)
やはりニセコ町の大きな特徴は、「ニセコ」というブランドで、多くの人を惹きつけていることですね。
2 秋田県大潟村
- 夫婦とも就農しているのが一般的
- 水稲栽培においては田植えと稲刈りの時期は多忙になるものの、その他の時間は比較的労働時間は短い。
- 3世代世帯の割合が高い。また、実家から独立しても、車で数分の距離の近居となるのが一般的
- 幼保一体型認定こども園では、「昼過ぎまでの預かり」と「夕方までの預かり」の切り替えが可能といった柔軟な対応を行っている。
- 保育所に預けず、在宅で子育てをする家庭に対し、村内で使える月1万円の「在宅子育て応援券」を配布
(以上、事例集より)
大潟村は干拓事業によって誕生した村です。
家族経営型農業が中心で、同居・近居が多いことに加え、柔軟な保育支援が整っており、仕事と家庭の両立がしやすい環境の村です。
3 福井県福井市
- 雇用者数に占める正規職員の占める比率は、男女とも全国平均を大きく上回り、特に女性は全国平均を大きく上回っている。
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二人以上の世帯のうち勤労者世帯の可処分所得(H26)は434,750円(全国:400,194円)、貯蓄現在高から負債現在高を引いた「純貯蓄」は1022万円(全国:486万円)と多く、持ち家率(H26)は91.8%(全国:76.3%)となっている。
- やむを得ない事由により家庭で小学校3年生以下の児童を養育できない保護者のために、託児所や家事援助等の利用料を補助。(すみずみ子育てサポート事業)
- 18歳未満の子どもが3人以上いる家庭は、3人目以降の保育料、一時預かり、病児保育、すみずみ子育てサポート事業を原則無償化
(以上、事例集より)
福井市は、農閑期の屋内作業に端を発する繊維産業が基幹産業で、女性たちがその担い手として活躍してきた経緯があり、そのため共働きが多く、また女性の正規職員の比率が高いのが特徴です。
4 長野県下條村
- 有配偶女性の就業割合(H27)は25-29歳は47.2%(全国:60.5%)と低いが、40-44歳は89.2%(全国:69.7%)と高い。
- 3世代世帯の割合(H27)は22.0%(全国:5.7%)、6歳未満の子供のいる世帯の3世代同居率(H22)は33.5%(全国:15.6%)と高い。
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H9-18年度に村営の集合住宅(計124戸)を整備。入居条件は、子育て世代(予定含む)であること、村の行事への参加、消防団への加入等。入居者が村内のコミュニティに溶け込めることを重視
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45歳以下を対象に、住宅取得と用地取得にそれぞれ補助(それぞれ上限100万円)を出す「定住促進住宅新増改築工事補助事業」及び「定住促進住宅用地取得補助事業」を実施
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医療費個人負担分は高校生まで全額補助(窓口での負担額300円)。保育料は3歳児以上及び第3子以降は無料。高校通学費年3万円支給。などを実施
(以上、事例集より)
「村の行事への参加」「消防団への加入」といった、あえてハードルを設けることで、村内に転居してきた子育て世代が地域コミュニティに溶け込めるようにしているのは特徴的ですね。
引き続き、出生数等向上している市町村を紹介します。