今年の待機児童の状況が公表されました。
厚生労働省から「保育所等関連状況の取りまとめ(平成31年4月1日)」が公表されました。
平成31年4月1日時点での待機児童の状況が取りまとめられています。
待機児童数は16,772人で前年比3,123人の減少
・待機児童のいる市区町村は、前年から7増加して442市区町村
・待機児童が100人以上の市区町村は、前年から8減少して40市区町村
・待機児童が100以上増加したのは、那覇市の1市
(資料より)
このグラフを見ますと、保育利用率は年々上昇していますが、待機児童数は下がっているという傾向がわかります。
保育所等の受け皿整備が進んでいるということでしょうか。
9月7日の日経新聞と9月10日の読売新聞に、待機児童に関しての社説が掲載されていました。
概要を比べてみました。
日経新聞社説<概要>
なお課題多い待機児童解消
- 待機児童の数が、2年連続で減少した。2019年4月1日時点で1万6772人となり、前年より約3千人も減った。
- 課題はなお多い。政府は20年度末までに待機児童をゼロとする目標を掲げているが、今のペースでは達成は見通せない。
- カギとなるのは、自治体がどこまで住民の希望を把握できるかだ。丁寧に住民の声を聞き、整備計画を不断に見直していくことが欠かせない。
- 保育サービス急増のかげで、負の側面も生じている。企業が主に従業員向けにつくる企業主導型保育所は、安易に参入し、すでに取りやめたところも少なくない。助成金の不正の摘発も相次いだ。審査や指導監督を強化することは急務だ。
- 安心して子どもを預けられるところに出合えるかは、個々の家族の将来に大きな影響を与える。女性就労を後押しし、少子化対策にもなる。数だけでなく、質の底上げも進めねばならない。
読売新聞社説<概要>
待機児童 柔軟な発想でニーズに対応を
- 保育所などの受け入れ可能人数は約306万人で、申し込みの約278万人を上回る。それでも待機児童が解消しないのは、駅前など利用しやすい保育所に希望が集中し、そこから漏れる人が出ているため。
- 東京都町田市は2017年から、駅前で子どもを預かり、郊外の保育所にバスで送迎する事業を始めた。保護者の送迎の負担を軽くするメリットがある。導入当初229人だった待機児童は、今春は127人に減った。
- 保育士の待遇改善も欠かせない。勤務シフトを工夫するなど職場環境を見直して、保育士の資格を持ちながら、現場を離れている人たちの復帰を後押しすることも重要である。
- ただ、少子化が進む中、保育士を急激に増やすと、将来過剰になる可能性も指摘される。保育に加えて、介護などの資格もあれば、人材の有効活用につながる。
- フィンランドでは1990年代初頭、保育や介護など保健福祉分野にまたがる共通資格をつくった。高齢化も見据えた、中長期的な人材確保策も検討すべきだ。
2紙の社説を読み比べてみると、読売新聞のほうが待機児童解消に向けた具体的な提案がされています。
特にフィンランドの「共通資格」の制度については、日本でも是非検討してほしいですね。
平成31年4月1日 全国待機児童マップ
<資料より>
待機児童「数」は、当然ながら子どもの人数が多い東京が一番多いですが、昨年よりも約1,700人減っています。
この傾向がこれからも続くでしょうか。
一方、待機児童「率」で見ますと、沖縄が一番高いです。
昨年も沖縄が最も高かったです。(昨年よりも少しは改善していますが)
皆さんがお住まいの都道府県の状況はいかがでしょうか。